肉屋のベーコンが美味いというだけの記事
料理という堕落
キッチンに立ち,改めて感じることがある.
食器乾燥機と食器洗浄機が備えられ,広めのシンクに料理台,3機のガスコンロで料理ができる実家という環境は,とても恵まれているのではないか.
1ルームや1Kレベルのキッチンはともかくとして,都内の賃貸ではそうそうこんな環境での料理などできない.
ベッドタウンの戸建てだからこそ,広々と料理ができるのだと.
子供部屋おじさんなる煽り言葉があるが,これだけ快適に料理ができるなら実家に寄生するのも悪くないなと思ってしまう.
さて,今日も就活などは一切していないため,今日も書くことがない.
なので料理の話でもしようと思う.
今日の昼はベーコンを焼いた.
肉屋で購入した,燻製ベーコンである.
こいつをフライパンで焼き,ドリップした油でスクランブルエッグも作ってやった.
燻製の香ばしさと豚バラ肉の濃密な匂いにつられ,一瞬で食い尽くしてしまった.
写真を撮ってなかったことに気づいたのは,食事が終わってからのことである.
僕の好きな食べ物のひとつに,パンチェッタがある.
それは豚バラ肉の生ハム,すなわち,いわゆる生ベーコンである.
この度食べた燻製ベーコンもまた,パンチェッタのような味わい深さがあった.
塩漬けと燻製で濃縮された旨味は,まさに暴力的である.
市販されているベーコンではまず味わうことのできない,すばらしい味であった.
塩漬けも燻製も,なかなか家では作ることが難しい.
第一に,時間がかかるし,手間もかかる.
そして冷蔵庫を占有する.
塩漬けした後に水分を抜くため,クッキングペーパーも何度も交換しなければならない.
その度に冷暗所から取り出しては取り替え,また仕舞う作業を繰り返す.
勿論ブロック肉なので相当な圧迫感である.
それが2周間から1ヶ月ほど続く.
なかなかの手間である.
僕の家族はせっかちなので,そんな長期間冷蔵庫の片隅を占有されてたら,そのうちに回鍋肉の具にでもしてしまうに違いない.
なのでこうしたベーコンを食べるのは,意外にもレアなイベントなのである.
そんなベーコンがお肉屋で買えるのだから,ありがたい話である.
輸入品のパンチェッタは生食化のものもあるが,若干薄っぺらいのが気になっていた.
その点,今回のベーコンは厚みがあり,まさに焼いて食えという趣のものであった.
気に入ったので,近々また再購入しようと思う.
さて,今日の記事もまた相応に虚無を感じるものであった.
そして明日の記事も虚無に塗れたものになるはずである.
そうした虚無を積み重ねて,来週に待ち構えている就活ラッシュに備えようと思う.