イドのなんらか

TRPGしたりキャンプしたりするITエンジニアの人間が書く雑記

東方アンチが重度の東方オタクから原作を貰った話

僕は東方アンチである

表題のとおり,僕は東方アンチである.

二次創作界隈特有の香ばしい匂いと,原作愛のないイナゴが嫌いで,小学生の頃からずっと熱心に東方アンチを続けてきた.

 

東方Vocalとか,てみた系とかが,大の嫌いであった.

サムネイルやタイトルを視界に入れるだけで凄まじい殺意と吐き気が湧いてくるほどに,界隈の臭さを嫌っていた.

 

同人ゴロとかイナゴも,同様に嫌いだった.

絵が上手い下手とか,クオリティが高い低いとか,そういうのが理由ではなかった.

 

嫌いな理由は単純である.

彼らは,東方をプラットフォームとして扱っているからだ.

ゲームとして東方を見つめていない彼らを見て,僕は言葉にできない感情が湧き上がるのを感じた.

 

正直な話をすると,僕自身もそういった東方厨の一人であった.

だから,これは自己嫌悪でもあるのだ.

 

罪滅ぼしではないが,僕は最近になって原作に触れ始めた.

最近とは言っても,一年前くらいの話ではあるが.

それでも東方アンチを始めてから10年以上経って,ようやく原作に触れたのだ.

比較としての,最近という感覚は今でも続いている.

だから,僕は最近になって,ようやく東方の原作を触り始めることができたのである.

 

重度の東方オタクが原作を投げつけてきた

僕の友人には一人,重度の東方オタクがいる.

僕とは対照的で,東方というコンテンツに足の先から頭の髪の毛一本に至るまでどっぷりと浸かっている,愛に溢れた男である.

 

そんな彼が今日,東方原作を5作ほど,僕に叩きつけてきた.

Steamで配信されていないWindowsのタイトルたちだ.

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叩きつけられた原作たち

今やってる紺珠伝をクリアしたら,メイトにでも出向いて永夜抄妖々夢を買おうと思っていたので,なんとも凄まじく完璧なタイミングでプレゼントされたものである.

後は純狐のスペルが3つだけなので,来週にはクリアできるだろう.

だから,今日このタイミングで彼と出会えたのはラッキーというよりほかにない.

 

彼は,僕の就活を応援してくれている,心強い味方の一人だ.

彼がいなければ,おそらく僕の就活は3週間前に終わりを迎えていたかもしれない.

それほどに僕は彼をリスペクトしているし,"信頼"をしている相手なのだ.

 

そんな彼だが,こうしてリアルで対面する機会は,それほど多くはない.

先月に出会った時は,それこそ1年ぶりの邂逅であったほどだ.

人間関係としては,お互いに距離を開けるタイプの付き合い方をしている相手なのではないかと思う.

向こうがどう思っているのかはわからないが,少なくとも僕はそういう認識をしている.

 

僕は,100人よりも1人を優先する人間である.

そして彼はその1人の側だと,僕は認識している.

僕は彼を信頼しているし,刺激を与えてくれる存在として感謝をしてもしきれないと,会うたびに思っている.

 

さて今日は一日,僕は彼と同じ時を過ごしていた.

雨の中で公園を散歩したり,カフェで雑談したり,酒(主にワイン)について話したり,実際に買うためにリカーを巡ったり,と言った具合である.

大きな出来事があったとか,大きな学びを得たとか,そういった大層なことはない.

あのゲームはどうだったとか,このハードはどうとか,そんな会話がメインであった.

 

僕が挙げた会話のトピックとしては「クリア保証が価格に入ってないゲームって面白いよね」みたいな感じだ.

つまるところ,アーケードSTGのワンクレジットとか,爆ボンとかみたいなゲームって,消化不良で心に棘が刺さるから印象に残るよねって話だ.

インターネットが発達してない時代に多くのプレイヤーが感じていたことを,10年後になって共有してみると実はみんな同じことを思っていた,みたいな現象って不思議だよな,みたいな話をしていた.

 

めんどくさいゲームオタク特有の,ちょっぴり哲学的で,多くの人にとっては取るに足りない,下らないトピックだ.

それでも,僕はとても有意義な時間を過ごすことができたと,そう思う.

 

彼を見ていると,アンチを続けている自分が随分情けのない存在であるように感じる.

天の邪鬼のようにネジ曲がった僕の根性は,ゲームというプロダクトを正常に認識する機会を常に奪い続けて来たように思う.

 

おそらく僕が素直なオタクだったのならば,きっと今頃Lunaシューターにでもなれていたのかもしれない.

きっと彼とも,違った形で友達になることができたのかもしれない.

 

それでも,僕はNormalシューターである今の自分を,誇りに思う.

僕がアンチで天の邪鬼だったからこそ,僕は彼と違う立場で,彼と対等に語り合うことができるのだから.

 

僕は,彼が心底気に食わないのだ.

僕の知らない楽しみを全部知ってるし,アンチである僕を気にも介さずに今日もコンテンツ本体を貪り続けている.

あいつは心底楽しそうに,ゲームを楽しんでいやがる.

僕が持っていないものを,全部持ってるあいつが羨ましくてたまらない.

 

僕は,ゲームを通じてしか物事を本質的に理解できないという,そんな病気か呪いにかかっているのだと思う.

そしてきっと,彼もそういう人種なのだ.

 

だから彼は信頼できるのだ.

そして――こっ恥ずかしいので言いたくないが――僕もまた,彼に信頼される人間でありたいと,そう願わずにはいられないのだ.

 

恥ずかしくなってきたのでそろそろ締める

なにやら上の方にこっ恥ずかしいポエムが書いてあるようだが,さて,今日は旧友と会って飯食ったり散歩したりといった一日だった.

そのついでに,東方の原作を5作ほど貰った.

もしかしたら彼のメインイベントはそっちの方だったのかもしれないが.

 

原作はだいたい新品で1500円くらいするので,合計で7500円ほどのプレゼントを貰ったことになる.

お返しとして,彼にはDark Soulsシリーズの何かをプレゼントしようと思う.

ついでにRogueも叩きつけてやろう.ローグライク好きって言ってた気がするし.

きっと喜んでプレイしてくれることだろう.

 

僕は向上心のない人間なので,東方はきっとNormalシューターのままで居続けるのかもしれない.

もう反射神経が若くないし,EXも天空璋だけで精一杯だ.

もちろんNormalクリアしたらEXにも挑戦はするが,僕がクリアできる保証などどこにもない.

心に棘を刺しながら,悦びに震えてゲームを味わうことになるのだろう.

 

そんな思い出たちを,未来の自分の宝にできたらいいなと思う.

そしてその宝をくれた彼を,未来の誇りにして生きれるようになりたいと願う.